ミズホテクノロジー

古代から今、そして未来へ

天然砥石は、2億5千年前に太平洋赤道付近の深海底の堆積物が、海洋プレートに乗って太平洋を年に数cmずつ日本列島に向かい、大陸の造山活動や地殻変動で日本では京都に隆起し地表に現れたものとされています。その天然砥石の産出は減少の一途を辿っていきました。

人造砥石は19世紀後半に人造砥粒(炭化けい素・アルミナ砥粒)が発明され、米国においてビトリファイドボンド砥石として製造が開始されました。日本では日露戦争後に輸入され、その性能に驚嘆したといわれています。ミズホは、その20数年後の1930年に研削砥石の販売を開始したのち、1933年に製造を始めました。

そして、瑞穂研磨砥石(現ミズホ)の超仕上砥石は、天然仕上砥石が京の逸品と言われたのと同じ京都の地で産業界の期待を担って産声を上げました。1951年に業界初の通産省鉱工業技術助成金を受け、日本初の人造超仕上砥石の量産化を確立しました。以来、ミズホは超仕上砥石のリーディングカンパニーとして今日に至っております。
この数年後には日本は高度経済成長期に入っていき、砥石の需要も一気に伸びることになります。1955年には砥石業界で日本初の日本工業規格表示許可工場(JIS)の認証を受け、『品質のミズホ』としてお客様から高い信頼を得ております。

また、1966年にアーヘン工科大学(ドイツ)で発表された高速研削理論に基づき、ミズホは研削能率の向上を目的とした高速対応(60~80m/s)砥石を商品化し、量産化製造時代に貢献していくこととなります。
1969年にはCBN砥粒が商品化され、ダイヤモンド砥粒と共に超砥粒砥石化時代が幕開けするなかで、ミズホはこの砥粒にいち早く注目し、ビトリファイド窒化ほう素及びその製造方法として特許を取得、同時に世界初のビトリファイド超砥粒超仕上砥石を完成し、1980年には量産体制を整え、現在に至っております。

超砥粒超仕上砥石では、加工能率向上と耐摩耗性向上を目的とした多孔性ビトリファイド窒化ほう素砥石や鏡面加工を目的とした特殊砥石などの開発を行い、お客様のご要望を満たす商品を提供しております。

一方、超砥粒研削砥石では、形状維持能力に優れスキップ数の稼げるタイプや、ドレッシング性に優れ切れ味重視タイプ等幅広い製品群を揃えております。

また、超砥粒ホーニング砥石でも高寿命タイプや切れ味重視タイプ等、加工物・加工条件に合わせた種々のタイプの違ったメタルボンドを保有し、お客様のご要望に対応しております。

更に

『 複合砥粒ビトリファイド超仕上げ砥石 』
【特許】第4523383号
『 ガラスセラミックス表面仕上げ用ビトリファイド砥石 』
【特許】第4846262号
『 超仕上げ用砥石 』
【特許】第4854132号
『 超砥粒メタルボンド砥石 』
【特許】第4964636号

と新商品を次々と市場に投入しております。

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ミズホテクニカルラボ

ミズホテクニカルラボ

そして、高精度・高能率化、難削材化などのニーズへの対応の為、ミズホの伝統で培われた超微粒を均一に、混ぜる、成型する、焼くというコア技術を活かした新商品の開発を目指し、2011年7月に産・学・官の協力と連携がスムーズに行えるけいはんな学研都市木津南地区に『ミズホテクニカルラボ』を開設しました。

緑豊かな環境、次世代をリードする創造的な学術・研究に適した環境の中にあるこの地でミズホは微粉を扱う技術を活かし、お客様のご要望及び環境に優しい加工技術(水溶性クーラント化等)への対応、加工面粗さがナノメータオーダの鏡面加工も可能とする製品の開発を進展させます。

また、セラミック材料(脆性材料)、非金属分野の遊離砥粒加工に対して、メカノケミカル機構を伴った加工が特長の新商品「SH砥石」・「MC砥石」による固定砥粒化を確立し、環境面の改善、高精度・高能率化を進めます。
この関連は医療関連部品及びレンズ関連等の精密機器分野の加工を主なターゲットとし、未来の『モノづくり』を支えていきます。


『文明とは港ではなく航海である。 そして、これまでのいかなる文明も 港に達したことはなかった。  ― アーノルド・トインビー(英・経済学者) ―』

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